地方の自治体は少子高齢化が確実に進む中、都市と田舎の経済格差は広がり続けています。人口も一都に集中し、隣人の顔すらも分からないような都会では育児放棄や幼児虐待、孤独死などの社会的弱者への凄惨な事件が後を絶たちません。それを止める為には、日本の良き文化である「隣人との絆」を再度考え、住民同士がお互いに助け合い、地域は地域で守るという「住民自治力」を養うことが早急に必要です。また、地域生活を維持するための活性化も同時に必要であり、それには地域資源の再発見と外部発信にこそ、貨幣に頼らない地域を生かす本来の豊かさへのヒントがあると考えられます。
私達は、世話人3名による話題提供で毎月1回、住民自治機運を高めるための町民自由参加による懇話会を催行しようと、平成21年2月上島町自治研究会を設立しました。活動を通して問題意識を持った住民の発掘と、問題提起された案件に関し、必要とあれば行政庁への働きかけも行ってまいりまいりました。そしてその活動をさらに質的な機能拡大の必要性を強く感じております。
誰にでも「ふるさと」はあり、その故郷への想いは必ずあります。衰退していく故郷を守り育てていくには「住民自治力」の必要性を地域住民が十分に理解し、発揮できる地盤が必要であります。この目的を達成するためには、社会的認知度が高く、自治体等との支援、協力を得てゆける特定非営利活動法人の設立が最もふさわしいと考えています。
平成23年1月16日設立総会を開き、設立の趣旨、定款、第1期及び第2期の事業計画及び予算計画、設立当初の役員などを提案し、審議の上決定しました。