2010年に移住:武田公一
出身は愛媛県今治市ですが、同じ愛媛県内でも近くて遠い存在の「島」。以前は、企業や団 体などを取材して活字にする仕事に携わっていましたが、30歳となるのを機に「生き方を変えて見よう」と退職し、設立時から交流のあった「株式会社しまの会社」の兼頭一司さんが取 り組んでいる日本の新たなモデル作りに共感して弓削島に移住しました。 島で生きていく上で、日々の糧さえあれば生活に問題はなく、不便さを感じることもあまり ありません。むしろ、大学〜社会人にかけて忘れてしまっていた、近所付き合いをはじめとする地域社会との関わり合い方や、お互い助け合いながら生きているという基本を改めて感じながら生活しています。移住した際、同じ地域の方から言われた「なんで(家の)鍵をかける んな?」という一言。最初、聞いた時は「何て不用心な」と思いましたが、よくよく考える と、それだけ同じ地域に生きる身近な他人を信頼している証拠で、それが基本にあるからコミュニティとしての結束力があるんだと実感しています。 島社会は人間関係が濃密ですが、弓削島の場合、自ら溶け込んで行けばそれを受け入れてくれる気質があります。職業選択の幅が広いとは言えませんが、自然に囲まれた環境で島人として 精神的にも豊かな日々を送るのも良いものだと思います。